中3生の英語力向上プログラム その4

テストで力をつける 英語4技能指導
生徒の英語力を上げるテスト

「その3」から遅れることほぼ1か月・・・。かたじけない( ;∀;)

中学校は期末テストと評価のシーズンに突入しています。英語力向上プログラムその4では、評価についてご報告いたします。

授業の成果を見る期末テスト!

現在の勤務校では、1学年の英語の授業を3人の英語教師が担当しています。従ってテスト作成や評価の方針は3名の合意のもと進めていくことになります。

私以外の2人の先生方がとてもopen mindな皆様で、かつ私自身の指導方針と大変近いお考えの先生もいらして、互いに情報交換をしたり、ワークシートなどもシェアしたりと、とてもやりやすい環境となっていることは、まず、本当にありがたいと思っています。

そんな中、2学期の期末テストを作らせていただけることに!
(*^-^*)わあい!!

指導と評価は一体!よく耳にしますよね。本当にその通りで、日ごろの授業で鍛えた力を正当に評価できるテストにしなければ、生徒の学習意欲は上がらない。逆にやりようによっては、テストで生徒の力を伸ばすこともまた可能だと思っています。

よく言われるバックワードデザインとして、「生徒には、1年後、こんな英語力を身につけてほしい→そのためにはこんな評価で力を測りたい→そのテストで得点できるためには今月の授業の目標はこれ。→今週はこの内容→今日はこれでいこう!」と逆順で考えましょうという流れ、すごく有効だと思います。

今回は急な流れではありましたが、この短い期間の中でのバックワードデザインをやってみました。年間指導計画に基づいたトータルな評価の方針とかでは決してないので、そんな大層なものではありません。まあ、テストづくりの小ネタくらいなことです。ご了承ください(;^_^A

前任校では公立校でありながら、異常に学力の高い生徒が集中している学校で、テストの得点分布グラフを見ると必ず2コブらくだが見られていましたので、いわゆる上位層をふるいにかけるような難問も必要でしたし、中3生では進路指導の参考数字とするためには例年と難易度を大きく変えることも難しいことから、比較的難易度の高いテストを作っていました。

今回はと~~~~っても普通の中学校!なので、60点平均点を目指したテストに。

出題予告!ふっふっふ・・・

今回のテスト作成の目玉!! 
「問題予告」制度。特に自由英作問題に絞って2題、出題予告をしました。

まず、1つは生徒の動詞活用能力を問う問題。「ある外国人にインタビューをした結果をまとめた日本語のメモを見て、英語のレポートを少なくとも5文以上を使って書きなさい」配点は10点

単元別の評価テストにてすでに類題をやったことがあったので、生徒もイメージしやすかったはずです。何より、私としては家庭学習として提示した「1・2年の復習チャレンジ」の成果を見たいということがありました。「復習チャレンジ」では、文構造の日英の違いや時制の扱いに着目した文法の復習ができるプリントを提示、家で練習したノートを提出させて経過をフォローしていました。自主性にまかせた取り組みなので、全員がコンプリート!というわけにはいきませんが、忘れていた文法の復習ができた!という声も多く上がっています。ただ、問題としてできるかどうかはまた別問題です。

今回の出題の肝は、英語初心者が英語表現するための中核となる部分です。過去、現在、未来、現在完了形をいつ使うべきか、知識として知っていてなおかつ生活文の中で正しく表現できる!これが完璧にできたら県立入試問題なんて超簡単だと思います。

実際の問題は・・・こちら

そして、第2弾はこちら。

教科書に出てくる人物の挿絵のイラストを2つ提示、1つを選んで、その人物について知っていることを50語程度で書きなさい。というもの。ただし、人物がやったこと、社会や世界への影響、それに対する自分自身の考えなどを含めて書くこと。配点は12点。

実際の問題は・・・こちら。

前号でもお伝えしたように、リテリングを中心に授業を構成し、単元終わりのプレゼンも実施していることから、教科書内容を要約する力、それに対する自分の考えを述べる力を評価したいという意図の出題です。

えっ!?それって丸覚えしていけば、満点あげるようなもんじゃ・・・(*’▽’)

その通り!丸覚え上等じゃん!な~んちゃって(^_-)-☆

その丸覚えの前段階の過程がと~~~っても重要なんですよね。もちろん、授業の中でリテリングやってその後書く宿題をさせたり、レポートを書かせたり、添削もしています。その中で、どうオリジナリティを出す文章にするか!という指導も行っています。

なので、その学習過程を経た上で、出来上がった自分オリジナルの英文を丸覚えすることは、定着を図る上ですごくいい学習になります。プレゼンだと、発表態度や英語の発音、イントネーションが問われますが、書く問題だと綴りや文法、語彙の正確性がより問われます。テスト予告をすることで、発表だけでは得られない英語力がつくのであれば満点を量産してもいいじゃないですか!?いやぜひさせて頂きたい!(笑)

本気で英語学習に向かう気持ちがあれば、上記の準備をきっちりやって高得点をねらってくるはず。その気持ちがまず「関心・意欲・態度」が高いってことですよね。

実は前任校でも私はこの方法で生徒の書く力を伸ばすことができたと感じています。2年生の初めからこの予告方式をとり、1年間続けたところ、全国学力テストや県が実施する英語力判定テスト(英検っぽいやつです)では「書く力」が全国平均(県平均)よりも大きく上回る結果となっていました。(他の3技能も平均より上でしたが、一番高かったのが「書く力」。自分としては「話す力」も押し上げたかったところでしたのでちょっぴり残念に思っていましたが・・・)

テスト結果は!?ドキドキ💗💗💗

さて、テストの結果は?

得点率  53%
2つの大問を合わせての得点しか集計していません。ご了承ください<(_ _)>

高いですか?低いですか?22点のうち、10点がインタビューレポート、12点は教科書からの丸覚え可能な出題で合計22点中、12点が平均得点です。(私の担当する2クラスのみの結果です)

私的には、彼らの第1回実力テスト、第2回実力テストの「表現」の得点率がそれぞれ31%→39%だったことを考えると、今回の53%は大きな進歩だと感じています。(丸覚えパートで点数を上げてるか?というと、実はそうでもなく、生徒個々人の英作力を素直に反映しているような結果だったと感じます)

結果分析!!

それぞれの得点と人物を分析してみると意外にも中~上位層の男子が伸びてきている実感があります。女子も目立って得点を伸ばしてきている生徒がいて頼もしく感じます。また、第1回の実力テストの自由英作文で、英語の語順や基本的な動詞の形づくりがわかってない生徒が大量にいるよ!( ;∀;)
と感じた印象だったのですが、今回はまずまずの英文が書けるようになってきた生徒が増えてきました。

1つには、出題予告により、学習方法が明確になったことで、よくテスト準備されていたことが結果に表れていると言えるかと思います。ただ、予告していても、そうそう簡単に得点できるわけではない、ということもわかりました。出るとわかっていても、本人の基本的な語彙力、文法力がないとなかなか高得点は難しいものです。

それでいうと、急速に伸びてきている生徒は、日ごろから効果的な学習ができている生徒です。その学習内容とは?・・・「音読」の力は大きいと思えます。10回音読の宿題にまじめに取り組んでいる生徒も多く、アンケートに、

「家で音読をしてくると、本当に授業が楽になって驚いた」
「音読することで、英文の意味がすっと入るようになってきた」
等のコメントが出てきています。理屈でなく、音声から脳に英語の成り立ちをしみこませていくようなトレーニングができていると思われます( ^)o(^ )

このような新たな学習方法に気づき、がんばったら成果が出るかも!と、学習意欲を高めてきている生徒が結果を出しているように思います。逆に、まだまだ私の言葉を信用しきれず、学習行動に結びついていない生徒には違うアプローチが必要だということもわかりました。

もしくは、低位層の生徒だって努力はしたけれどもハードルが高すぎて結果につながらなかった・・・ということも十分考えられますね。テストの出題内容や構成についてはまだまだ改善点がたくさんありそうです。

ポストテストの個々の生徒へのアプローチ

実は今回、テストの答案にはそれぞれ短いコメントを記入して返却しました。それぞれの生徒の伸びてきたところ、今後の課題、など答案をざーっと眺めていると見えてくることをほんのひとことふたこと。

1回のテストで全てが決まるわけではないので、普段実力のある生徒がやらかしてしまったあ( ;∀;)的な答案には「ドンマイ」と言ってあげたいし、素直に伸びてきた生徒には「やったね」と。まだまだエンジンがかからない生徒には「こらあ!!」的な内容でお小言を!(笑)

・どうした!?英作で時間とりすぎて時間配分間違ったね!?
・リスニングいいねえ。英作文のミスの見直し、重要!
・正面から英語に取り組まないと結果は出ないよ!! 
・文法力ついてきたよ!あとは読解のスピードをあげよう! などなど

訂正ノートは課しません。ただ、簡潔にテスト結果と私のコメントについてどう感じ、何をするべきと感じたか、反省文を書くようにだけ指示しました。すると、多くの生徒が、それぞれの敗因や勝因について振り返り、今後の学習の方向について考えを書いてノートを提出してくれました。学習の仕方についての質問をしてくる生徒もいました。

どの生徒も点を伸ばしたい!当然の欲求ですよね。もちろん間違った問題について細かく反省するのも大切だけども、90点の生徒と12点の生徒が同じ重みで訂正ノートを作ることは不可能です。低位層の生徒からすると、今20点しかない点数を100点に、いやせめて平均点にまで上げろと言われても、それはもう「宇宙の真ん中にひとり取り残された」ような気持ちになってるはずですから。なので、まず今、何から始めるべきかを私から伝えて、その覚悟ができたかどうかを本人のことばとして確認したいんです。

こんな私の思いに応えてか(!?)ここんとこ、さっぱり出なかった自主学習ノートが、翌日からちょっとずつ出てくるようになりました。復習チャレンジをまともにやろうと思ってなかった生徒が思い直してやってみようかなあ、と始めてみたり、頑張ったことが点数になったことが嬉しくてさらにアドバイス通りのことをやってみよう!とじゃれマガのリテリングを書いてみたり・・・。(現金すぎ~~!?)でも、この動き、ちょっといいなあ。

反省点はもちろんいろいろありますが、「生徒をやる気にさせるテストづくり」と「テスト結果を学習意欲に結びつける方法」としては、ちょっと成功したかも・・・(*^-^*)

生徒の学力評価は結局自分の授業力評価・・・ってことですね

大まかに言って、今回のテスト結果はもろ手をあげて成功!!
とは言えませんでした。実際2クラスのうち、急速に前向きオーラが出始めた1クラスは平均点をググっと上げてきましたが、体育会系満載のもう1クラスはまだまだ低迷中(*_*; まあまあやんちゃなスポーツ男子たちを筆頭になかなか手強い子たちがそろっているのですよ(#^.^#)
ま、ここまで1勝1敗って感じですかね。

途中参戦、3か月目、そうそう簡単に力を上げてやることは難しいなあ、というのが本音です。それでも私の熱い(っていうか、あつかましい?)思いに答えて変化を見せてくれている生徒も多くみられ、胸が熱くなる気持ちも感じています。後半戦こそ、重大な局面、まだまだこれからだあ!!!と気合を入れなおしたところです。

何ですかねえ。こうやってあーでもない、こーでもない、といろいろ試しながら、生徒の反応を確かめながら、じゃあ、次は・・・? なんて考えること自体が楽しい!!しかも、話が通じるお仲間の先生がたと愚痴をいいあったり、ヒントをいただいたりできる人間関係が本当に役立ちます。不思議に私はいつもこのような人的環境に恵まれてるなあ。ありがたや~!!

テスト作成については、私自身まだまだ未熟で、学びたいことがいっぱいです。今回、上記以外の設問についても、悩みに悩んで作成しました。一番陥りがちなのが、my world にハマり過ぎ!のパターン。あれもこれもと詰め込み過ぎて、生徒のレベルに降り立って問題を解くという視点をもつことがもはや不可能になってしまう・・・( ;∀;)。長文読解や対話文の本文をどうやって調達するか!?オリジナル?過去問アレンジ?リスニングはどんな形式?どんな内容?読むスピードや会話の臨場感をどの程度出すのがいいか!?など悩みは尽きませぬ。この点については、また後日、別便にてお話させてください(^_-)-☆

それでは皆様、コロナ禍の中、どうぞご無事でお過ごしくださいますよう!!!

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