3年の9月段階で
〇be 動詞と一般動詞の区別がつかない!
〇英語の語順の決まりがわかっていない!
〇進行形のbe 動詞が必ず抜けてしまう!
という生徒がほぼ半数いるクラスで、どうやって文法力を上げていくか!?を考えます。
いやいや、これ、私の実体験で、今直面している問題なんです(^_-)-☆
なんでここまで放置してしまった!?
もちろん、この手のことって英語が苦手な生徒によくある症候群ですよね。しかも!!私の担当クラスの場合、数学でまずまず点数をとれる生徒たちにもこのような生徒が多くみられます。
恐らくこれまでにも何度もテストで失敗しているはず!なのに、根本的な解決ができずにここまできてしまったその原因は何でしょう?
彼らによると、多くが塾にも通っているようです。元塾講師としては、塾に行っていてもこんなに文法音痴になってしまう・・・って。何のために通ってるわけ!?と叫びたくなるヽ(`Д´)ノプンプン
ごめんなさい。塾の先生方の教え方がどうの・・・と言ってるわけではないんです。プロの指導者として十分に生徒にわかりやすい説明をしておられるはずなんです。なのに・・・。なぜ!?
一つ、考えられるのは、新出文法を体系的にしっかり教わったとしても、その単元を終わったとたんに忘れてしまい、次の単元に入ると、またその新しい文法ばかり学習する。そのときどきは先生も生徒も一生懸命やるんだけど、総合力が身につかない。つまりミックス問題に当たっていないことが考えられます。
be動詞をやってるときにはam is are の使いかたのみ練習して、一般動詞とbe動詞がミックスされて出てくる問題をやってない!
助動詞をやってるときは、まずwill とbe going to をやり、次にmust とhave to をやって、さらにcouldやwould like to など・・・。うん?じゃあ、次の日本語はどう英語にする?
明日は晴れるだろう。
君はそこには行かなくていいよ。
お水を少しいただけませんか。
ミックスで出てくると、もう手をつけられなくなる・・・! チ~~~~ン!!
また、日本語の主語の省略や、have の持ついろいろな意味など・・・。教科書にはっきりルールとして書かれていないたくさんの英作文のコツを誰も教えてくれていないのでは?と感じます。
市販の参考書、問題集を見ても、そのあたりの生徒が陥りやすい日本語と英語の違いや誤解について、はっきりと指摘しながら学習が進められるものが少ないように思います。
だから生徒はいくら問題集を解いても、書き換え問題をやっても、単語を覚えても、文が作れない・・・し、できた!という達成感が得られず、どんどん英語嫌いになっていくのだと感じます。
どこから手をつける?
残された時間はわずか!!これから指導すべき中3生の複雑な新文法もあるし、
いったいどこから手を付ければいいの~~~???
ですよねえ~~~~!!
この時期ですよ。もう9月!いや現在もう10月も終わる!
私の場合、9月に現任校に赴任。9月の半ばにこの状態に気づき、何とかせねばと考えました。途中からの担当だということもあり、夏休みの補講ができなかった我が担当クラスは3年内容だって相当に遅れているのです。1・2年の復習なんて・・・。
さらにこれから体育祭、文化祭、しかも今年はなんと修学旅行まであるんだよ( ;∀;)
もうこれは授業内で何とかできる範囲をとっくに超えてる!!
ここは、生徒にも正直に「危機に直面中!!」であることを話して自覚を促し、家庭での学習を変えるしかない!!と結論付けました。
まずは、私の秘策の復習シート(Day 1~Day 10まである!!) を使って、基本的な文法ルールを復習し、それぞれ10問の基本文を完全に覚える!という復習チャレンジを開始しました。全て家庭学習として取り組みます。Day 10 までいくと全部で100文の基本文を覚えることができます。
しかも、普通の問題集みたいな文法見本市!的な並びでなく、次のような項目建てにして、生徒が陥っている誤解を解くことを主眼としたシートにしています。(とりあえずDay 1 ~ 5までは下記の通り)
Day 1 S+V (主語と動詞の関係、日本語の主語の省略、日英の語順の違い)
Day 2 動詞 (一般動詞とbe動詞の選び方をベースにした英作)
Day 3 疑問文 (上記動詞の種類と時制に着目した疑問文と答)
Day 4 助動詞 1 (全て肯定文だけど全助動詞をミックスで)
Day 5 助動詞 2 (会話でよく出る助動詞を使ったやりとりに特化して)
↓
↓ 不定詞・動名詞・受け身・現在完了形etc.
↓
Day 10 自由英作文 (典型的な自由英作文に出がちな英作に特化した問題)
内容は全て基本文英作。穴埋めや書き換えでなく、ゼロから発想して英文を作る!
ここ、大事だと思います。穴埋め問題ってあんまり意味を感じない。
だって、さあ英語を話そう!ってときに穴埋め知識では役に立たないよね!!
まとまった考えを英語で書こう!ってときに書き換え問題しかしてなくって何が書ける???
だから、どんなに英語が苦手な生徒でも、ゼロから始める英作文をしっかりやって自信をつける!これ以外ない!!つまり、頭を英語脳にする!!ってことですね!
この復習シートを渡してノートにひたすらテストしては答え合わせ!
合格ラインは・・・
ここが大切!全員一律はダメだと思います。
だってそれじゃあ、苦手な生徒にとってあまりにも苦行!
フェアじゃない!! いや、ってワケでもないけど(;^_^A
でも、一律の宿題は、苦手な生徒にやる気を起こさせないと思います。
だから、
実力テストで平均点を下回った人は、半分(10問中5問)できるようになったら合格!
平均点以上だった人は8割UPで合格とします!
というルールにしました。家庭でノートにやって提出!合格した生徒には進行表にシールを貼ったり、担任の先生に進行表を見せてお尻を叩いてもらったり、といろんな手段を講じながら何とか復習チャレンジを実行中です。1か月終了時点でDay10到達者は、66名中12人!ってとこです。まだDay 1さえも未提出の生徒もいますヨ、そりゃ。

でもね。クラス全体のムードが変わってきたことは確か。これまで一切ノートの提出もなく、単元ごとのテストもなくやってきた生徒たちですが、これは「ヤバい!」と、少し目の奥に光がともり始めたように思います。Hopefully!(笑)
毎回の授業で気を付けることは?
文法を①導入し、②定着させる、という観点はとても大事で、それぞれポイントがあると思っています。
まず文法導入に時間をかけすぎてはOUT!! どんなに説明が上手な先生でも、どんなにわかりやすい説明であっても、生徒にとって「わかる」ことと「できる」ようになることとは別のことなんですね。
これが若かりし頃は私もわからなかったんだなあ(*^-^*)
いかにわかりやすく説明するか!をポイントに頑張った日々、ありませんか?または今、現在進行中の方も、いらっしゃいますよね( ^^) _U~~ いやいや、そのこと自体は素晴らしい!いかに生徒にわかりやすく伝えるか?この命題に取り組むことは基本、good!
でもね、結局は、テストに出たときに解ける。または、プレゼンや日常会話の発話で正しく使える。ということを目標にしたとき、どれだけ丁寧にわかりやすく説明されても、そのままでは「できる」ところに到達しないですよね。
そこはやはり、Try & Error の世界なわけですよ。わかったつもりでも、実際に話してみたり、書いてみたり、問題を解いてみたときには間違えちゃう!というか、この、間違えることが大切!
だから、導入に時間をかけても実はあまり効率はよろしくないんです。文法導入は形と意味を確認したら終了!すぐに使ってみよう!というスタンスが大事だな、と。
そこで、間違えては指摘を受け、「あっ!そうか」こんなときはこれか!と、思い至り、次からは間違えないようにしよう!と意識することでしか、上達ってしないんだと思うんです。
つまり、新文法の導入は短時間でサラッと。あとは基本的なドリル式の言い換え文を何度も言って文の型を頭に入れる!
その後、教科書本文の音読と日→英でモデル文を暗記したら、リテリングやまとめの報告分で新文法を使った文を自分で作ってみること!これを推奨することが一番、生徒の英語力向上につながるのではないでしょうか?
ただし!
生徒がみんな共通して間違える点は、授業中、いやになるほど指摘することも重要だと思いますよ。例えば・・・
He has been to Kyoto before.
He has gone to Tokyo.
このbeen とgone の違い!は何度説明しても、なかなか正しい用法で使うことができないんですね。「行く」という日本語が浮かぶと、だれしもがgoをまずイメージしてしまう。だから「行ったことがある」という文に I have gone to Tokyo many times. とやってしまう。
gone は それだけで、「行っちゃったあ( ;∀;)」「もうここにいないんだ!」の意味があるよ
been は 「行く」ではないけど「~に存在したことある(=行ったことあるよ)」の意味で使えるからね!!
みたいな、日本人にとって覚えにくい語法や文法は、授業中にことさら大げさに繰り返し表現して間違いを正すよう何度も取り上げることは必要だと思います。
このあたりのきめの細かさが長年英語教師をやってきた先生方の腕の見せ所ですよね~~~!!
その他のヒント
結局ね、
英語力を向上しようとすると、「やはり何度も間違える」ってことが必須!!なんだと思うんですね。
ところが、この「間違える」と言うことに対する「恥の意識」が強すぎて、生徒は思うように自由な表現活動ができないでいるように見えます。
英語教師の仕事として・・・この呪縛を解いてやりましょうよ!
日本人なんだから英語は間違えるのが当たり前!!
「一個も間違えずに英語しゃべれるんだったら勉強なんかしなくていいから!」ヽ(`Д´)ノプンプン
「先生なんか、ALTの先生と話すたび、ほぼ全文で間違ってるからねえええ!!」
と、笑顔で言ってあげましょう!! あっ、すみません。これは私だけだったか(;^_^A
でもね、これくらいの気持ちを醸成してやりましょうよ。なんでも優等生づらしてしまうのは現代の子供たちの悪いくせですよ。これは、「間違うことなくすくすくと育ってほしい!!」という罪のない親御さんの強い気持ちを反映したものに他ならないワケですけど・・・(;^_^A
あっ・・。ごめんなさい。今、ちょっと幼稚園副園長時代の思い出が蘇ってきていました・・・。これはまた別の問題ね・・・(笑)
いずれにしても、そのような生徒に対して
「間違えてくれてありがとう!」のことばの意味は大きいと思いますよ。間違えた答えを発表した生徒に対して「今のいい間違え方!」とか「ナイス間違い!」と声をかける!これ、思っている以上に生徒の中で、「えっ?間違えても怒られない!?」という気づきに至り、さらに
「え~~~!!あの先生、間違えた生徒を褒めてるよ!!」って思ってもらえたらサイコー!!
さあ、この復習チャレンジでどこまで基礎力が回復してくるか・・・。結果を注視していきたいと思います。また、後日ご報告します!!ではSee you!!