だんだん本格的な寒さがやってきました。皆さんいかがお過ごしでしょうか?
授業をしていて「やったあ!」と小さくガッツポーズをしてしまうようなこと・・ありますよね。人にいうほどでもないけど、でも自分的にめっちゃうれしい💗
そんな出来事をちょこっとご報告したいと思います!いやどうしてもお伝えしてくって(笑)
リテリングの真髄にせまる授業にしたい
「中3生英語力向上プログラム その3」でお話したように、私は授業をリテリングを中心に組み立てています。9月から始めて3か月が過ぎ、生徒の中でも授業の型が定着してきたことで、慌てず騒がず授業がスムーズに進行しているように感じます。
ところでリテリングで一番先生方が悩まれるのは、
「暗唱と何がちがうん?」ってことではないでしょうか?
もちろん要約する力を育てるワケなので、
暗唱じゃあないよ!!
というのは簡単ですが、日本語でもこの文章を要約しなさい、と言ってポイントを要領よくつかんで順序良く、理路整然とまとめる、というのは難しいことですよね。
英語でこれをせよ!というのですから、生徒にとってはハードルが高いのはもちろんです。
ではリテリングのメリットとは?
・習った語彙や文法を使って自分の頭の中で英文を組み立てて話すことで、英語脳を鍛えられる
・身の回りの話題についての短い会話だけでなく、いろいろな分野、話題についてまとまった量を話す練習ができる
・英語的な論理の展開を考えながら、接続のことばや順序を表すことばを使ってわかりやすく話す練習ができる
・間違っても気にせず、言いたいことを相手に伝えようと前向きにトライする気持ちが育つ
・自分の意見を話す習慣が身につく
・友達の発表を聞いて、リスニング力がつき、内容に刺激を受けて互いに上達することができる
挙げてみると数えきれないくらいあります!!
ただし、やり方次第では確かに暗記合戦になってしまいがちなんですね( ^^) _U~~
間違いたくない気持ちがあだになる・・・
ここまで、あまり話す練習をしてなかった私の担当クラスの生徒たち。間違って話したくない!という気持ちが強い!さらに、不安な気持ちから逃れたい一心で、ついノートに要約文を書いてしまう(そしてそれをただ読み上げようとする)。
本文の重要個所をピックアップしただけの無難な内容に終始してしまいがちなのは事実です。
また、本文の10回読みも定着してきてさらにリテリングの準備もしており、準備万端のはずなのに、ノートやサイトラシートから目を話すことができず、うつむいたままの発表になってしまう生徒も多くみられます。
先週、クラスでもトップ層の男女2人にそれぞれ全体の前でリテリング発表をしてもらいました。2人とも教科書本文を丁寧に追いかけることに終始した要約文を言ったあとには、ほんのひとこと
I think it is interesting.
で、終わらせるちょっと残念な内容でした。習ったばかりの関係代名詞をバッチリ使って理路整然と説明はできているものの、これじゃあ、教科書本文のつまみ食いだよ・・・って感じでした。
正直つらい・・・(*^_^*)
そこで
間違ってもいいし、文法が少々違ってもいいから、みんながわかりやすいことばで英文を構成しなおして、せっかく描いた絵の力をうまく利用して、自分らしいリテリングをしようよ!
と叫んでしまいました。珍しく(もないか(;^_^A )口から泡を飛ばして語る私に生徒も目をまんまるにして!!聞いていました(笑)
現在の教科書のテーマは「アメリカ英語とイギリス英語の違い」(Total English Lesson 6B)で、建物の1階部分の呼び方の違いのせいで、待ち合わせをしても出会えなかったアメリカ人とイギリス人のエピソードが出ています。
The “first floor” in British English is called the “second floor” in American English. The “first floor in American English ” is called the “ground floor ” in British English.
というややこしい内容が結論部分に書かれています。これをどうやってわかりやすく説明できるか・・・???
さて、週末をはさんで昨日、月曜日。宿題は本文の10回読みとリテリング練習。週明けの1回目の授業で発表者を指名して、全体の前でリテリングを披露することに。4人の発表者がそれぞれ工夫をしながら何とか発表を終えたとき、
1人の男子生徒が挙手!「ぼくもやっていいですか?」と。
もちろん、オッケー!!
クラスのリーダー格である彼は、笑顔で前に出ると、自らみんなを促して拍手を求めます。
そこで一同爆笑しながらまずは、Big Hands!! さすが盛り上げ上手!!
Hello, everyone. Do you know the difference between American English and British English? Look at this picture.
と言って、米英と国籍の違う2人の友人がデパートの待ち合わせで出会えなかったエピソードを絵を使って人物の位置を図示しながら上手に話します。
Now , I will ask you. What is the first floor in British English? Anyone? OK, A君
A君: 「一階です」
No!!! ではB君
B君: It’s the second floor in American English.
Yes!! That’s right. So, they couldn’t see each other.
American English and British English are different. I think it’s confusing. Thank you!!
で締めてくれました。
いやいや!仕込んできたねえ。これはもうじっくりと作戦を立てて練習もしてきた、満を持してのプレゼンだよお(#^.^#)
このパフォーマンスにクラスは拍手喝采!「すご~い」の声も数多く上がっていました。
もちろん、文法は少し乱れていたし、発音も間違っているところが多々ありましたが、彼が一瞬にしてクラスみんなを巻き込んで、自分が言いたいことを全て英語で伝えたことは間違いありません。
これには私も
This is the presentation!! Well done!!
と、手放しで褒めまくりました。
これなのよ!!私がほしかった発表は!先週末の私の叫びにしっかりと応えてくれた彼の努力と勇気に感謝です。こんな生徒が出てき始めると、全体のムードもどんどん変わってくるはず!イェ~イ!!(小さくガッツポーズその1です)
生徒の学習意欲を引き出すしかけを!
もう一つ嬉しかったことが・・・。
先日の期末テスト。2クラスのうち、1クラスは平均点がグンと伸びてきたのですが、もう1クラスはまだまだ低迷中・・・と、「中3生英語力向上プログラム その4」でご報告しました。
12月に入り、押し迫ってきたこのタイミングで、実は復習チャレンジの第2弾を始めました。今回は2種類を準備。1種類は第1弾の復習チャレンジと全く同じものを。もう1種類は長文読解と自由英作に特化した応用編です。どちらを選ぶかは自分で決めることができます。
第1弾は生徒が陥りやすい英文法のミスに着目しての文法復習と基本文暗記のためのシートでした。これは何度やってもやりすぎることはないくらいの重要事項なので、基礎固めにもう一度やりたい生徒向けに案内しました。
テストで平均点以上はとれる生徒に対しては、苦手とする長文読解や英作文対策のための応用チャレンジです。昨年度のじゃれマガや自由英作文の過去問、日本文化説明問題などをいれています。スピードをもっていろいろな英文に触れることと、自分の言いたいことを正しい英語の型にあてはめながら表現する練習になります。
どちらの場合も、ノートに解答を書き、間違い直しをして私に提出すると、そのたびにご褒美シールを貼って返却することにしました。もちろん、自由英作文は毎回添削して返却します。これやらないと力つかないので・・・(;^_^A 時間はかかるけど、このフォローが大切!
このチャレンジ、1週間が経過しました。さて結果は・・・
提出ノートの総数は多くはありませんが、何と今回、低迷しているほうのクラスから毎日のようにノートが出てきます。英語の授業がない日も出てくる。しかも、前回一度も出さなかった「いやいやモード」あふれるばかりの男子生徒が、丁寧に勉強した形跡のあるノートを毎日出してきます。
トップ組の生徒たちが頑張るのは織り込み済みです。なので、嬉しいのはあれほど授業中もやる気のない顔をしていた彼が、毎回頑張り始めたこと!私から何か特別にハッパをかけたとか、声をかけたとかではないのですが、彼の中で何かが変わってきたことは確かです。
こんな小さなできごとが英語教師の心をくすぐるのですよねえ。(小さくガッツポーズ2!!です)願わくば、彼の努力が実を結びますように!!
コロナ禍で何となく気分が滅入りがちな日々ですが、生徒ひとりひとりとつながりを感じながら一歩一歩、前に進みたいなあと思うこの頃です。ではまた。